恩地孝四郎装丁、吉田絃二郎『一人歩む』は2社から同時発売されていたのか?

shinju-oonuki2006-02-16


1月30日、アンディさんからのコメントで、『一人歩む』が私が所有している本の他に、違う出版社からも恩地孝四郎装丁で発売されているという連絡をいただき、私もさっそく探し下記の2冊を入手した。
・吉田絃二郎『一人歩む』(玄文社、大正13年1月17日初版、13年6月10日15版)四六判、並製本401頁
・吉田絃二郎『一人歩む』(改造社大正13年1月17日初版、15年9月10日20版)四六判、上製本401頁
 
どちらも恩地孝四郎の装丁で、奥付の検印紙には、玄文社には「吉田」の判子が、改造社には「絃」の角印が押されている。装丁家も著者もこの同時発売を知っていたことになる。印刷所は、玄文社は長柄印刷所、改造社が松井印刷所で印刷している。文字の書体や組み方は、奥付と序以外は2冊とも全く同じである。