シラー・カンパニュラータは、ヨーロッパに分布するキジカクシ科ツリガネズイセン属の多年草です。シラーに近い仲間で、以前シラー属に分類されていた名残から「シラー・カンパニュラータ」と呼ばれています。
ツリガネズイセン属には約12種の植物が分類されていますが、主に栽培されているのはツリガネズイセン(Hyacinthoides hispanica ヒアシンソイデス・ヒスパニカ)と、ヒメツリガネズイセン(Hyacinthoides non-scriptae アシンソイデス・ノンスクリプタ)の二種です。� ツリガネズイセンは「スパニッシュ・ブルーベル」または「シラー・カンパニュラータ」の名前で流通することも多く、やや細長い釣り鐘形の花が穂になって10輪くらい咲き、品種によっては20輪くらいつくこともあります。毒を含む茎にベルの形の花を数十輪つける様子が神秘的で、ギリシャ語の「シラー」(害になる)、「カンパニュラータ」(小さな鐘)が名前の由来になりました。日本では「球根つりがねそう」「ツリガネズイセン(釣鐘水仙)」とも呼ばれます。
楚々とした風情のあるヒメツリガネズイセンは「イングリッシュ・ブルーベル」とも呼ばれます。花穂は細身で、花茎の上部が曲がって枝垂れるように咲き、花は片方向に寄っています。両種は混同されることも多く、流通もやや混乱気味です。