シャクヤク(芍薬)は4月から6月にかけて、茎先にボタンに似た大型の華やかな花を咲かせます。 直立した茎は60cmほどになり、その先に10~15cmほどにもなる美しい花を咲かせます。 花色は紅色やピンクのほか、紫色、白、黄色など豊富です。花びらの数は5~10枚ほどの品種が中心ですが、他にもバリエーションが豊かです。咲き方も、一重咲き、八重咲き(バラ咲き)のほか、雄しべが花弁化(花びらに変化)した翁咲き、翁咲きよりさらに雄しべの花弁化が進んだ手まり咲きなど、さまざまな種類があります。 冬には地上に出ている部分が枯れ、休眠します。
シベリア・中国・モンゴルなどアジアが原産で、日本には平安時代以前、中国を通じて薬用として伝わりました。日本では特に江戸時代、茶席の際に茶室の床に飾られる「茶花」として人気を集め、盛んに品種改良が行われました。
ボタン科・ボタン属の多年草で、名前の由来は、しなやかで優しい姿かたちを意味する「綽約(しゃくやく)」という言葉からだと言われています。別名では、「顔貌が佳い」という意味で「貌佳草(カオヨグサ)」とも呼ばれます。
シャクヤクの花言葉は「恥じらい」です。 豪華絢爛な印象の花からすると意外なようですが、この花言葉の由来には「夕方になると花を閉じてしまう習性があるから」「イギリス民謡で、シャクヤクのなかに恥ずかしがり屋の妖精が隠れていたという話が元になっている」などと諸説あるようです。