【葛はいたるところで見かけますが、花はなかなか咲いていなかった葛の花】…市内の植物探索(5)

【葛(くず)はいたるところで見かけますが、花はなかなか咲いていなかった葛の花】…市内の植物探索(5)
 秋の七草の1つとして知られる葛は、日本人にとってなじみの深い植物です。葛湯や葛餅、葛きりなどの原料となる葛粉は、葛の根を砕き、水にさらしてデンプン質を取り出して乾燥させたものです。この葛の根は、漢方では葛根(かっこん)と呼ばれ、葛根に桂皮や甘草、生姜などを加えた「葛根湯」は、かぜや発熱、頭痛、肩こりなど幅広い症状に効く万能薬として有名です。一方、葛の花は漢方では葛花(かっか)と呼ばれ、二日酔いの予防や改善に用いられてきました。
 葛の花が咲くのは8月から9月頃で、赤紫色の小さく可憐な花房からは甘酸っぱいいい香りがします。この花を摘んで乾燥させたものが葛花茶で、日本、中国、韓国などでハーブティーとして飲まれてきました。
 名前の由来は、大和の国(奈良県)の国栖(くず)というところが葛粉の産地であったところからの命名されたようです。漢字の「葛」は漢名から。葉が風にひるがえると裏の白さが目立つことから別名「裏見草(うらみぐさ)」とも呼ばれています。
   そんな葛ですが、市内で花を探すのは案外大変でした。葛の葉はあちこちで見かけますが、花は、東大農場、泉町3丁目で見ただけで、他に見つけることはできませんでした。
 写真は、西東京市泉町3丁目で2023.9.26に撮影した葛の花