【なんだこれは? イソギンチャクではなさそうだが?】…市内の植物探索(21)

【なんだこれは? イソギンチャクではなさそうだが?】…市内の植物探索(21)
 松は取れてしまいましたが、北町の天神社に今年3度目の初詣に行き、境内を散策していたら、な、なんだこれは? というようなもを見つけました。撮影して帰宅してから調べたら、なんとソテツ(蘇鉄)の実なのだそうです。あの♪赤いソテツ〜の実が熟れるころ〜♪という歌では知っていましたが、東京でも蘇鉄が育つんですね。
 ソテツは日本の九州地方や沖縄、中国の南部を原産とする常緑低木です。大きく反り返るように開く葉と太い幹が特徴で、恐竜が生きていた1億5千万年以上前のジュラ紀に全盛をきわめ地球上を繁茂していたことがわかっています。太古から現在までほとんど同じ姿をしていることから、「生きた化石」とも呼ばれているたくましい植物です。根に窒素固定能をもつシアノバクテリア藍藻)が共生しており、貧栄養地でも生育できるために生き残ることができたと言われています。
  ソテツには雌株と雄株があり、花は地植えの大きな株でしか開花しません。さらに10年に一度しか咲かないともいわれているので、見られたらとてもラッキーです。雌株が受粉すると10月ごろにたくさんの赤い実がつきます。5cmほどのかわいらしい実ですがサイカシンやBMAAなどの毒があります。が、奄美大島などの一部地域では毒抜きをして食用にしているようです。
 ソテツは漢字で蘇鉄とかきます。これは中国で木が弱った時に株元に釘を打ち込んだり根に金くずをやると樹勢が回復する、という言い伝えから名づけられました。中国では「鉄樹」という名でよばれます。
 
西東京市北町6丁目で2024.1.12に撮影した蘇鉄雌株の実

 
 
西東京市保谷町5丁目で2022.7.12に撮影した蘇鉄雄株の花

 
 
西東京市保谷町5丁目で2024.1.10に撮影