前川千帆画「閑中閑本 記録紙漉帖」(季刊「紙」付録)は捨てられな

【捨てられない本】もっと高価な本があるだろうといわれそうですが、もう後がなく、いざという時にはこんな本を選んでしまうものなのです。前川千帆画「閑中閑本第三冊 記録紙漉帖」(昭和23年)を季刊「紙」第一号付録16頁冊子として昭和53年に復刻されたものだが、良いものはいい。









  前川千帆(まえかわ せんぱん 1888〜1960)は、明治45年春上京、北沢楽天の東京パック社に入社、この頃から漫画に筆をとりはじめる。後に読売新聞に入社し漫画を描く一方で、日本創作版画協会の会員として日展文展にも出品。大正8年第1回日本創作版画協会展に出品の頃から木版画の創作活動に入ったが、同時に新聞雑誌の挿絵、連続漫画も盛んに描き、「あわてものの熊さん」などで漫画家としても知られた。昭和20年から35年の死去まで『閑中閑本(かんちゅうかんぽん)』(全27冊)と題した彩色木版・折帖仕立のシリーズを刊行。その第3冊目が「記録紙漉帖」。