処分できない横尾忠則本

【捨てられない本】予備校に通うために上京して、最初に見た展覧会が、偶然にも横尾忠則展だった。銀座を一人ブラブラしていたら、機関車の正面にセーラー服の女の子が立っている絵が目に飛び込んできて、「ん、なんだこれは?」と思いながら、だれもいない画廊を一回りしてきたように覚えている。その時からあのポスターが頭から離れず、著書や関連書、装丁本などを貪るようにして読んだ。私が就職した事務所のボスが横尾さんと同じ会社に勤めていたようで、よく横尾さんの話をしてくれたのが嬉しかった。
 ずっとファンで憧れだった横尾さんの本を手放すのは忍びないが、段ボール一杯に詰め込まれた横尾本の中からこの3冊を自宅に持ち帰った。

横尾忠則横尾忠則全集全一巻』(講談社、昭和46年)



横尾忠則『うろつき夜太』(集英社、昭和50年)



横尾忠則筒井康隆『美藝公』(文藝春秋、昭和56年)