京都・便利堂から小村雪岱:装丁、泉鏡花『龍蜂集』袖珍本(春陽堂、大正13年3月)が送られてきた。この本の装丁に関して何かコメントを、とのことだ。「龍蜂集」には「彩色人情本」「妖魔の辻占」「賣色鴨南蛮」「爪ひき」「身延の鴬」などの作品が収録されているが、鏡花の代表的な作品ではないのであろう、これ等の作品についての論文などはなかなかお目にかかれない上、この本の古書価が高価であることもあり、うかつにも存在そのものを全く知らなかった。



小村雪岱:装丁、泉鏡花『龍蜂集』袖珍本表紙(春陽堂大正13年3月)
判型は新書判より天地が10ミリほど小さいが、手摺木版6色刷、金箔、朱色箔と少なくとも8版が使われている豪華な装丁だ。



小村雪岱:装丁、泉鏡花『龍蜂集』見返し(春陽堂大正13年3月)



小村雪岱:装丁、泉鏡花『龍蜂集』天金(春陽堂大正13年3月)