2011-08-01から1日間の記事一覧

先月は、橋口五葉:装丁、夏目漱石『吾輩ハ猫デアル』(大倉書店、大正13年2月98版〈明治44年7月初版〉)についてのコメントを、ということだった。

橋口五葉:装丁、夏目漱石『吾輩ハ猫デアル』ちりめん紙を使った表紙(大倉書店、大正13年2月98版〈明治44年7月初版〉) 橋口五葉:装丁、夏目漱石『吾輩ハ猫デアル』タレ部分(大倉書店、大正13年2月98版〈明治44年7月初版〉) 橋口五葉:装丁、夏目漱石『…

京都・便利堂から小村雪岱:装丁、泉鏡花『龍蜂集』袖珍本(春陽堂、大正13年3月)が送られてきた。この本の装丁に関して何かコメントを、とのことだ。「龍蜂集」には「彩色人情本」「妖魔の辻占」「賣色鴨南蛮」「爪ひき」「身延の鴬」などの作品が収録されているが、鏡花の代表的な作品ではないのであろう、これ等の作品についての論文などはなかなかお目にかかれない上、この本の古書価が高価であることもあり、うかつにも存在そのものを全く知らなかった。

小村雪岱:装丁、泉鏡花『龍蜂集』袖珍本表紙(春陽堂、大正13年3月) 判型は新書判より天地が10ミリほど小さいが、手摺木版6色刷、金箔、朱色箔と少なくとも8版が使われている豪華な装丁だ。 小村雪岱:装丁、泉鏡花『龍蜂集』見返し(春陽堂、大正13年3月)…