【101冊の挿絵のある本(28)… 小村雪岱(明治20〜昭和15年):挿絵、里見弴『多情仏心』(『時事新報』、大正11年12月〜12年12日)の挿絵を紹介します。】
『名作挿絵全集』第3巻(平凡社、1980年)からの転載です。この本には21点の挿絵が掲載されていますが、ここでは、真田幸治編『小村雪岱挿絵集』(幻戯書房、2018年)に掲載されている4点も含め25点を紹介します。
・見弴『多情仏心』初出:『時事新報』、大正11年12月〜12年12日。
小村雪岱と里見弴とは泉鏡花の紹介で知り合い、里見弴が新聞連載を始めるときに、雪岱を強く推薦してもらったようです。このときの新聞連載小説、里見弴『多情仏心』(『時事新報』、1922年)の挿絵が、雪岱の挿絵デビュー作となり、里見弴の代表作ともなりました。コンテによる洋画風の挿絵は賛否両論があったそうですが、雪岱はこれを契機に挿絵画家としての活躍が始まりました。