暇にまかせてネットサーフィンをしていたら、新聞小説、渡辺霞亭「渦巻」切り抜き帳4冊を見つけ購入した。小説『渦巻』の初出は、1913年(大正2年)渡辺霞亭の勤務先が発行する『大阪朝日新聞』紙上に掲載され大正2年7月26日~同3年2月15日(1913~1914年)まで続く大長編となった。

連載途中の同年から翌年にかけ、東京の隆文館から単行本『渦巻』上中下続巻全4冊が刊行された。この単行本に鏑木清方の巻頭口絵はついているが挿絵は掲載されていない。



杉浦非水:装丁、渡辺霞亭『渦巻』(隆文館、大正2年



鏑木清方:画、渡辺霞亭『渦巻き』下巻口絵(1914年より)


連載開始とともにたいへんな人気となり、すぐに日活向島撮影所で撮影映画化され、人気の女形・立花貞二郎と、人気俳優関根達発が主演し、日活配給により前篇・後篇に分けられて公開された日本のサイレント映画。絵葉書が発行され、「渦巻型」という女性の化粧用品が流行となり、髪形も渦巻き、ショールも渦巻きと、渦巻きは大ブームを巻き起こし“渡辺霞亭”の名が一世に鳴り響いた。


今は手元にスキャナーがないので画像を公開出来ませんが、「本の手帳」11号に全挿絵復刻公開でもやってみようかと思っている。

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ネットで購入した新聞小説切抜帳『渦巻』全205回、帙入り全4巻