昨日、西武池袋線・保谷駅周辺に昭和25〜35年ほど前から今もつ続いている店を調べに出かけ、そんなテーマとは関係なく、古書店「アカシヤ書店」の店頭に並んでいる古書に惹かれ足を止めてしまいました。古書店に足を踏み入れるのは、7〜8年ぶりになる。
手にとって読み始めるとついこの続きは家で読もう、なんて言い訳をしながら4冊を購入しました。
今日は、そのうちの1冊、村井弦斎『食道楽』(玉井清文堂、昭和3年)の鏑木清方:画・口絵9点を紹介させていただきます。
この本には、口絵の説明も、画家名も帰され例ないので、いったい何の絵なのか、誰が描いたのかなどさっぱりわかりません。画家名だけは署名から鏑木清方だということが分かった。
そもそもこの本がどんな本なのかというと、いろいろな料理を食べた感想を脚本仕立てにしたエッセイのような本です。
本文の一部を転載させてもらうと
──主人の小山先ず椀の蓋を取りてお毒見にと味を試み
「ウム、是れは美味く出来た、中川君、此の田毎豆腐を遣って見給へ」
中川も箸を執りて椀の中を覗き、
「田毎豆腐とは初めて聞いたが、オヤオヤ、豆腐の中に玉子が入れてあるネ、田毎 の月と云ふ譯か、味も大層結構だ、何う云ふ風に拵えるのだ」
というような感じです。
四六判、布総上製本辞書風、総ページ数576ページにも及ぶ分厚い本だ。
これが著者の村井弦斎なのか?