2010-12-12から1日間の記事一覧

挿絵といえば、今では多少の違いはあってもそれなりに共通のイメージを持っているものとおもう。が、明治大正期に使われていた「コマ絵」、「板下」、「口絵」という言葉と、「挿絵」との違いとは何なのか。木村荘八「挿絵今昔」(「明治の文学」厚生閣、昭和13年)にその答を見つけたので、下記に引用させてもらおう。

口絵 ……例へば「口絵」といふ、明治時代特有といってもいゝ一つの画式あることなど、面白い点である。これも名称は一応雑誌なり単行本なりのトップにある絵だからそれで口絵──といふ意味ではあれ、一頃の文芸倶楽部や新小説あたりの「口絵」の持っていた意義…