昨日、実践学園での3回目の講座「エコで奇抜な素材を使った齊藤昌三の美しい装丁」を終え、前期の講座が完了した。この最後の講座の受講生が「海苔」を使った装丁の齊藤昌三『当世豆本の話』(青園荘、1946年)を持ってきてくれた。初めてみる噂の「海苔を使った装丁」の登場に度肝を抜かれた。どうやって制作したのか? 表面が光っているが透明漆でも塗ってあるのか? などなど疑問が次々に湧いてくるが、解決の糸口はなく、制作にまつわるエッセイ等もまだ読んだことがない。奥付には、「少雨荘齊藤昌三著すこの書物は當世豆本の話と稱し、



造本:内藤政勝、齊藤昌三『当世豆本の話』(青園荘、1946年)


造本:内藤政勝、齊藤昌三『当世豆本の話』(青園荘、1946年)、見返しの右側の暖簾には、桃を割ったようなマークが印刷されているが、これは齊藤昌三の家紋のようなもの。江戸時代には女陰を表す記号として落書きなどにもよく使われていたという。今日の二重丸に十字を描き、その周りに太陽の光のように描くあの記号と同じだ。NTTのロゴマークは、これを逆さまにしたものとして、採用した当時話題になった。



造本:内藤政勝、齊藤昌三『当世豆本の話』(青園荘、1946年)


自称ゲテ本コレクターとしては、このままでは気持が収まらず、何としても手に入れたいという気持が抑えきれなくなり、帰宅すると早速購入の手続きをとってしまった。


内藤政勝については
http://d.hatena.ne.jp/shinju-oonuki/20091014#p2
に一度紹介しているので、ご覧下さい。