高橋春佳とおぼしきサインをもう一つ見つけた。三瓶一次『生活より祈りへ』(厚生閣書店、昭和3年)がそのサインが載っていた本。



高橋春佳:装丁? 三瓶一次『生活より祈りへ』(厚生閣書店、昭和3年



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残念なのは、この本にも装丁家名は記されていない。その上、イニシャルが似ているので不安にさせるような装丁家の名前が、巻末広告に記載されている。その名前は「松下春雄」。


調べてみると、松下 春雄(まつした はるお、1903年3月2日-1933年12月31日)。1923年 関東大震災をきっかけに名古屋へ帰り、大正〜昭和初期に美術グループ「サンサシオン」で鬼頭鍋三郎らとともに活躍した洋画家。1933(昭和8)年,30歳の時に白血病で死去。絵を見たかぎりでは、アール・デコ風のデザインをやるような画家とは思えないが、時期的には可能性があり、全く関係ないとも言えない。