2008-11-25から1日間の記事一覧

明日11月26日は東京造形大学でのゲスト講演を2コマ(3時間)やってきます。内容は、「装丁は総合芸術」というテーマで、斎藤昌三の下手本の話や芥川龍之介の限定本『地獄変』など10冊ほどの特異な装丁本に関する蘊蓄を講義、そして、2コマ目では、文庫本の表紙をはぎ取り、布装上製本へとリニューアルさせ、この世に1点だけしかないオブジェとしての装丁へとメタモルフォーゼするのを実演する。

この準備に1ヶ月もかかってしまった。製本実演のリハーサルを繰り返し、資材や道具を揃え、更に料理の番組のように、時間を省略するためにノリが乾く時間を待っていられないので、途中途中の完成品を見せ、 その続きを作業するようにすると、いくつもの途中…

装丁:恩地孝四郎、小松耕輔『西洋音楽の知識』(アルス、昭和4年)は、一氏義明『西洋美術の知識』とシリーズなので同じ装丁だろうと思い込んでいたが、2冊並べてみたら、ぜんぜん違う装丁だった。函つきで500円と安かったので、裸本と買い換えるつもりで購入してきたのだが、思いがけず見事な装丁を手に入れる事がfできてこんな嬉しい事はない。『西洋音楽の知識』『西洋美術の知識』は恩地の装丁の中でも大好きな5冊の装丁にはいり、添い寝したくなるほど大好きな「添い寝本」だ。

装丁:恩地孝四郎、小松耕輔『西洋音楽の知識』(アルス、昭和4年) 装丁:恩地孝四郎、一氏義明『西洋美術の知識』(アルス、昭和4年) 前衛美術の影響を取り入れた見事な装丁で、まさに「装丁は時代を映す鏡だ」の言葉通りの、美術史とも連動する貴重な装…