2008-06-17から1日間の記事一覧

他にはこんな本が

ここ何年間も集めている高橋忠弥の装丁本で、今東光『こつまなんきん』(講談社、昭和35年)。忠弥本の架蔵書が60〜70冊くらいあると思いますが、こうなると、自分が持っている本なのか、どこかでみたことがある本なのか、欲しいと思っている本なのかわから…

もう1冊、これも私にとっては大きな掘り出し物だ。鎌田弥壽治、伊東亮次『天然色冩眞術』(太陽堂書店、昭和4年)、装丁は東京高等工芸学校(千葉大学工学部の前身)教授・宮下孝雄。

幾何学形態を黒箔と金箔のはく押しだけで表現した装丁だが、知恵の輪のように複雑にからんだ文様は、あえて対称形を避けており、図形へのこだわりが伺え、インパクトも訴求力も備えた見事な出来栄えとなっている。幾何学的形態や抽象的な絵は、理工系の本な…

あの伊達得夫の出版社・書誌ユリイカ本、矢代静一『壁画』(書誌ユリイカ、1955(昭和30)年)を200円均一本の中から見つけた。この本は第一回(1955年)岸田國士戯曲賞・佳作でもある。巻末には「限定500部刊行のうち本冊は第250番本に当たる」とあり、万年筆で書いた矢代静一の直筆サインが入っている。

矢代静一は 『写楽考』(河出書房新社、1972年、翌1972年読売文学賞受賞)、『淫乱斎英泉』(河出書房、1975(昭50)年)などで知られる。 背の布が半分ほど虫に喰われてしまったのか劣化したのか、芯ボール紙がむき出しになっているが、この本は、たとえ価格…