挿絵:小田富彌、木村毅「島原美少年録」
挿絵:小田富彌、木村毅「島原美少年録」
挿絵:小田富彌、木村毅「島原美少年録」
新聞縮刷版の多くは1年分とか数十年分とかで販売されていることが多く、高いものでは数百万円の値がついているので、驚かされる。今回のように1ヶ月分(1冊)を入手できるのはむしろ稀な例だ。新聞小説がどの新聞の何月何日から始まって、何時終ったのかというデータは手元にあるので、どの新聞を購入すれば良いのかは判っているのだが、なかなか分冊で購入することが出来ないのが悩みの種だ。
今回は25回分の新聞小説を手に入れることが出来たことになるが、新聞小説だけではなく、この頃は映画の第一次黄金期といわれているので、キネマ文字をふんだんに使った新聞広告が毎週毎週、紙面一面に掲載されている。
まるでキネマ文字の見本帳のように見事な手描きの文字が、毎日のように紙面に登場していた贅沢な感じがする時代だ。見ているだけでワクワクしてきて嬉しくなってくる。これはかなり資料性が高い。
さらに、昭和2年といえば、円本全集ブームで、そんなブームを裏付けるかのように、円本の全面広告や2ページ見開き広告がたくさん掲載されている。「千頁壱円」の見出しが嬉しい歴史の証人ともいえる貴重な資料で、この1冊は私にとってはかなりのお宝となった。これで購入価格は3000円。「安い、安い、安〜い」猿の目から涙。