2008-07-20から1日間の記事一覧

やはり大衆文芸は『富士に立つ影』から

さらに八木昇の説を拝読させていただこう。 「大衆文芸が固有の位置を主張し、万人の等しく認めるところとなったのは、白井喬二の雄篇、『富士に立つ影』(大正十三〜昭二)によってである。大衆文芸の成立は、この作品が登場するに及んで決定的となった。満…

八木昇の挿絵黄金時代の定義を「大衆文芸の挿絵」(『芸術生活』芸術生活社、昭和49年)に見てみよう

「大正末年に、新しい読物である『大衆文芸』が興隆して江湖の迎え入れるところとなった。大衆文芸の源流は江戸の庶民文化に求められるが、御承知の通り、江戸文芸=大衆文芸のこの世界は“本文”とそれを助け、あるいは補う“絵”(挿絵)の二要素の融合によっ…