現代商業美術全集

いったい誰が収集し所有していた資料なのか。
内外の最高峰のデザインが収録網羅されているこの本
・『現代商業美術全集21』(アルス、昭和4年
はどこを開いても1910-20年代のものと思われる宝石のように輝くデザインばかりが集められている。編者たちの選択眼の確かさを感じる内容だ。







上から3枚目のピンクのパンフレットは山田伸吉デザインの松竹座ニュースだ。
一番下カタログ表紙丿頁には、左上、装丁などが少ないと言われている前衛美術の泰斗・神原泰の「第1回神原泰宣言書」や左下は竹久夢二「抒情画展覧会目録」があり、右下の清宮彬と思われる「現代之美術社主催美術展覧会」等の図録があり、デザイン的に優れているだけではなく、何れも今となっては貴重な資料だ。その気になって、たくさん掲載しすぎたかな?


文字組み版の見事な外国の商業印刷物やさまざまな書体のタイトルなど、このパンフレット等の所有者が分かればもっと貴重な資料となるのだが、その点に関しては残念だ。例えば、この本の編集委員の杉浦非水が所有していた資料だとすれば、非水のデザイオンソースを知ることができるわけだ。