『明星』4号のロゴタイプ

「創作文字」「装飾文字」「図案文字」に関する本は大正末から昭和初期にかけて大量に発行された。いきなり雨後の筍のように。図案化された文字に関する本はおそらくそれ以前にはなかったものと思われる。


では、突然ブームになった図案文字は、その時初めて生まれたのだろうか?
いやそうではない、いつごろから始ったのかはこれから調べていこうと思っているが、
今思いついたものでは明治35年に発行された『明星』4号がある。
このロゴは、きわめて奇抜だ。


それまでの文字はほとんど筆で書いたものや版画で彫ったものなどが主流だったと思うが、この藤島武二が描いた『明星』4号のロゴタイプはどこからやってきたのだろうか? 勿論外国の雑誌の影響を受けているのは分かるが、漢字のデザイン処理はかなり見事なものである。




大正末期に始まる装飾文字の教書と、明治35年に発行された「明星」4号のロゴとの間には、その発表時期にかなりの時間のズレがある。この25年ほど間に、装飾文字は静かに浸透していったに違いない。


新聞や雑誌広告、書物のロゴなどから拾い集めて、装飾文字の誕生を探ってみたいと思っている。