キネマ文字をランダムに集める


キネマ文字あるいは創作図案文字について、書いてきたが、ここに来て「キネマ文字」ってなんだ、ということに挑戦してみようと思う。単純には「映画のタイトルに使われた装飾的な文字」のことだろうが、それだけでは、キネマ文字を語ったことにはならないし、特徴は伝わらない。


実は私もキネマ文字の形の特徴を理解しているわけではない。映画のタイトルなら何でもキネマ文字かというとそうではない。意図して装飾性を高めている文字のみをそう呼びたいのだが、その線引きはどこに置いたらいいのか判断は難しい。


キネマ文字と創作図案文字の位置関係についても、私は創作図案文字というのは、キネマ文字や絵本のタイトルなど大正から昭和初期にかけて流行った、「装飾的な文字」全体をいうときに創作図案文字といって、映画のタイトルに限ってはキネマ文字といったらいいのかなと考えています。


かっこよくいうと、これって「キネマ文字を定義する」なんて風に言うのかね。なんかこれだけで、どっかの大学の教授にでもなったような気になっちゃうよ。





写真は上から
・装丁:河野鷹思「映画評論」(映画評論社、昭和4年
・「面白誌」(大日本雄弁会講談社昭和5年
・服部龍太郎『音楽史と百大音楽家』(春陽堂昭和5年


「面白誌」はいまでいう、フリーペーパーのようなもので、大日本雄弁会講談社の広告が詰まっている。
資料も大分集まってきたので、映画のタイトル文字大蒐集、あるいはキネマ文字大図鑑というようなものをやってみようかと思っています。