文字が演じる書物の表情……その5

田村義也の装丁を年代順に眺めてみよう。

まずは私の手元にある田村装丁本では一番古い多田道太郎『複製芸術論」(勁草書房、1962年)、鶴見俊輔『大衆芸術論』(六興出版、1965年)


鶴見俊輔『限界芸術論』(勁草書房、1967年)


この頃の作品では、私が学生のころに読んだ本多勝一『極限の民族』(朝日新聞社、1967年)や本多勝一『戦場の村』(朝日新聞社、1968年)などがあるが、書棚を探したが見つからなかった。写真下は井上光晴『小屋』(講談社、1972年)「箔が表紙からハミ出すのは無茶なことはわかるけれど、無茶でいいではないか?」(『のの字ものがたり』)、大庭みな子『青い狐』(講談社、1975年)。この頃から独特のスタイルの描き文字が始まっている。


安岡章太郎『私説聊齋志異』(朝日新聞社、1975年)季恢成『イムジン河をめざすとき』(角川書店、1975年)


安岡章太郎『放屁抄』(岩波書店、1979年)、高森和子『母の言いぶん』(鎌倉書房、1981年)「バックアップデータを保存するローカル記憶領域が不足しています。」がでてしまった。