造本探検隊113(有元利夫の装丁本) 編

●造本探検隊113(有元利夫の装丁本) 編
この2冊は、有元らしさが一番感じる装丁で好きな装画だ。特に宮本輝『花の降る午後』(角川書店、昭和63年3版)の装画はお気に入りだ。ロングスカートの女性は、特徴的で、それだけで訴えかけるものがある。背景のイエローオーカーが明るく、見ているものの気分を明るくするものがある。最近は有元の女性によく似た絵を描く人が増えていて、画廊などでも何度も見かけたが、やはり最初に描いた人の絵にはかなうまい。写真左は宮本輝『真夏の犬』(文藝春秋、1990年初版)

●これはちょっと雰囲気が
写真下の丸山健二『月に泣く』(文藝春秋、昭和61年)は、古書市などでは見逃しそうな有元の装丁本だ。展覧会とか図録とかで知っていないとね。私は、司修の作品か? とおもって、この本を手に取った。