こんなレア本に出会うには

 
ちなみに、城氏が購入した『書痴の散歩』は、7冊目だそうで、レア物に出会うにはそれなりの努力があるようで、その執念には頭が下がる。やっと手に入れた本も「所蔵者転々、今や披読すれば、表紙の溝から徐々に番傘紙剥離欠落、痛ましきかな。補修の仕様は見当たらず、零落のわが余命にも似て──。」とあり、柿渋を塗って補強した番傘も、恐らくは丁寧に扱われてきたと思われる貴重な本でさえも、70数年の間に少しずつ経年による劣化が見られるようだ。柿渋で、補強するのは容易いが、いわくアリの本はこのまま丁寧に保存したほうがいいのかもしれない。