2009-09-28から1日間の記事一覧

■11月にJR中央線・日野駅前にある実践女子学園生涯学習センターで「美しい本の話」と題する講座を3回に渡って開催予定。毎回たくさんの本をもっていきますので、実物を手に取ってご覧下さい。

・受講料=3,150円 ・日 程=11月2日、11月16日、11月30日(いずれも10:30〜12:00) ・内 容=1.洋装本の伝来と装丁の始まり ─橋口五葉の漱石本とアールヌーボー─ 2.幾何学模様の装丁は今でも斬新 ─恩地考四郎の前衛美術装丁─ 3.廃物を利用した豪華な装丁 …

斎藤昌三といえば、「愛書趣味」「書物展望」などの雑誌及び単行本の編集をする傍ら、たくさんの書物に関する執筆家として知られている。が、「書物展望社」を主宰し特異な資材を使ったゲテ本などと揶揄されることさえもある美しい限定本の造本家としての名声も高い。ゲテ本の中でも特に良く知られているのは、古番傘を使った齊藤昌三『書痴の散歩』(書物展望社、昭和7年)と筍の皮を使った木村毅『西園寺公望』(書物展望社、昭和8年)とは齊藤昌三装丁の双璧といっても良いだろう。多くの評論家に酷評された本であり、悪評高き美しい本は、まさ

齊藤昌三『書痴の散歩』(書物展望社、昭和7年) 木村毅『西園寺公望』(書物展望社、昭和8年) これらの本を実際に製本したのは、齊藤昌三が、製本部と読んでいる中村重義で、素材をさがしたり、それをどうやって加工したらいいのかと腐心し、齊藤と一心同…