吉行エイスケ編集のモダンな雑誌

shinju-oonuki2005-07-06

  恩地孝四郎の話ではないが、昨夜、『賣恥醜文』創刊号(賣恥社、大正13年)を入手した。表紙デザインは、深沢索一だが、深沢がこんなにモダンな装丁をするとは……以外だった。思わず購入してしまった。
 
 この本は、吉行エイスケと清澤清志が編集した雑誌で、知る人ぞ知るなかなかの本らしい。私には、まさに猫に小判。大正時代には、新興美術運動の影響を受けた書物が少ない、と思っていたが、どうしてどうして、装丁もかなりアバンギャルドだ。かつて恩地孝四郎が、『感情』の表紙で、立体派や未来派などの影響を受けた装画を描いていたのを紹介したが、それに通ずるアブストラクトな表紙である。いずれ装丁史の中に登場してくるものと思う。
 
 目次の組み方なども、マヴォほどではないが、かなり斬新さを感じる。中には吉行エイスケの「新興ー創刊号ーの作品を見て」と題する村山知義や神原泰の論評も見られる。萩原朔太郎への批判的な文章もある。吉行エイスケの、、、、、、、、、、は何なんだ。さっぱり、、、、。