この本、恩地の装本であって欲しいが……

下記の本も誰が装丁したのかわからないが、恩地孝四郎の装丁であって欲しいとの願いを込めて購入してきたもの。この『ダンテ詩集神曲』は、古書を手に取りながら、「恩地と洛陽堂とは確か明治末からつきあいがあったはず」というただそれだけのことで、なんの確信もなく購入してきた。今回は15冊くらい購入してきたが、その中では、この本が一番気にかかっている本だ。


恩地は夢二の紹介と洛陽堂主人・河本亀之助の勧めで1911(明治44)年に初めての装丁、西川光二郎『悪人研究』(洛陽堂)を手がける。以後、洛陽堂刊行の『桜さく國』に寄稿し、木村荘八『芸術の革命』(洛陽堂、大正3年)や白樺関連の本などの装丁の依頼を受けており、『ダンテ詩集 新生』も恩地の装丁である可能性がないわけではない、という推測があった。これを何らかの方法で恩地の装丁であることを証明できたなら、これこそ、古書収集を人一倍楽しむことになるから、気になっているのだ。



『ダンテ詩集 新生』(洛陽堂、大正6年



恩地孝四郎が初めて装丁を手がけたとされている、西川光二郎『悪人研究』(洛陽堂、明治44年