岩田専太郎:挿絵、吉川英治『鳴門秘帖』上巻(中央公論社、昭和37年8月)全挿絵入愛読愛蔵版の挿絵を紹介ます。この本には182点の挿絵が掲載されています。新聞掲載時の挿絵が全て掲載される単行本は、かなり珍しいことです。
下巻付録(月報)には「九月七日 吉川英治先生が亡くなられました。謹んで哀悼の意を表します。小社ではさきに全挿絵入『宮本武蔵』全六巻を出版し、今また本書刊行中この訃報に接して一同唖然といたしました。吉川文学の偉大な業績をこの両書によって偲んでいただきたいと存じます」と、『宮本武蔵』も全挿絵入であるとありました。ここでは『鳴門秘帖』上巻の中から30点を紹介します。
▶︎『鳴門秘帖』初出=大正15年〔1926〕年8月11日から翌年10月14日まで、「大阪毎日新聞」夕刊に連載。