よみがえれ!保谷名産「保谷ウド!」

西東京市都市伝説☞よみがえれ名産「保谷ウド!」】西東京には温泉があるわけではなし、名刹と言われるような神社仏閣があるわけでもない。風光明媚な景色があるわけでもなく、おいしい名産品があるわけでもない。自慢できるものがないんだな〜。
 それなら作ればいいと思い「保谷の名産ってなんだ?」と調べてみた。
すると「特産品と名物……戦後の昨今はウドである。暮れから正月にかけての早出しのウドは、早く結実させる必要があるところから、高原地帯(*軽井沢)で栽培する。その根を持ち帰り、掘り穴の中に入れ、温度と水分を十分に見はからって芽を出させる。ふつうのものは家の付近において栽培し、堀穴あるいは畑の一部に穴を掘り、ワラ等をかけ、土を盛り芽を出させる。このようにして、保谷ウド、東京ウドの銘をうって出荷するのである。」(倉間勝義『多摩の歴史』(有峰書房、昭和51年)。とあった。
 「これだ!ウドだ!」 早速JAに行って調べてもらったが、市内にウドの生産農家はない、といわれた。でも、まだ1軒くらいは栽培をしているだろうと、直接農家を回ってみることにした。
 とりあえずJAから一番近い、西東京市消防署前の農家・都築俊さんの家をヨネスケの「突撃!隣の晩ご飯」のように突撃インタビュー敢行、「ウドを作っていませんか?」と尋ねてみた。すると、「作っているけど、まだ、20〜30センチくらいにしか育っていないが…」との返事。
 「戦後まもない頃は、この辺にも50軒ほどのウド栽培農家があって、ウド出荷組合を作っていたが、今は出荷している農家はないのではないかな? 私も趣味で作って知人に配っているだけで販売はしていない…」などと30分ほど話を伺うことが出来た。「その、ウドを育てている室(むろ)を見せていただけませんか?」と、恐る恐る尋ねてみると、二つ返事で快く見せてくれることになった。えっ、いきなり、一軒目でラッキーか?


 畑の中の鉄のフタを開けると間口1mにも満たない細い縦穴が掘ってあり、ハシゴを伝って3mほど降りると、そこには、畳2〜3畳くらい高さ1.5mほどの円柱形の部屋があり、さらにそこから四方にトンネルが掘ってあった。今は降りたところでしか栽培していないというが、40〜50cmの見事なウドが、壁面に沿ってぐるり一回り元気に育っていた。収穫期にもう一度来て、一口食べてみたい! と思った。なんとかもう一度、保谷の名産としてこの「保谷ウド」、よみがえらないものか……!。