【西東京の植物絵手紙(51)…西東京市保谷町で桔梗(ききょう)の花を見つけた!】

西東京の植物絵手紙(51)…西東京市保谷町で桔梗(ききょう)の花を見つけた!】
桔梗(キキョウ)は秋の季語であり、秋の七草の一つですが、実際は六月中旬の梅雨頃から始まり、夏を通じて初秋の九月頃までが開花時期です。
 清々しい青紫色をしている星形の花と紙風船の様に蕾が可愛く膨らむ美しい花が古来よりおおくの人々に愛され、万葉の時代から観賞され万葉集の中で秋の七草の中の花として親しまれて来ました。奈良時代山上憶良が詠んだ歌(巻八 1538)「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌の花」(秋の野に咲いている花を、指を折って数えてみれば、七種類の花がある)が秋の七草の由来と言われ、そのうちの「朝貌の花」は桔梗(ききょう)を指します。
  かなり早くから園芸品種が成立していたらしく、1853年(嘉永6年)に編纂された植物図譜『本草通串証図(ほんぞうつうかんしょうず)』には、緑色の八重咲きや濃い黄色、花弁が基部深くまで切れ込んでそれぞれが外側に丸まってウサギの耳のような形になる「兎耳桔梗」、花弁が平皿のような形になる「紋桔梗」などのほか、現在も見られる桃色やウズキキョウ、早咲きのものが彩色図で収録されています。が、残念ながら、これらの多様なキキョウの園芸品種は、その多くが明治の中ごろまでに絶えてしまいました。現在花屋に並ぶのは栽培されている初夏の早咲きの種が多く、本来の時期に自生で咲く姿は、ほとんど見られなくなってしまい絶滅危惧種とされています。
 紫の桔梗の花言葉「気品」は、花色の紫がかつて高貴な色とされていたため、「変わらぬ愛」は、長く咲き続ける花姿に由来しています。桔梗が恋人のために一生涯、ただただ待ち続けた若い娘であったという物語にちなんで、「永遠の愛」「誠実」がつけられました。
 
・絵手紙=「そよ風に微笑みかける」(桔梗)

 
西東京市谷戸町1丁目 で2023.6.30に撮影した桔梗の花。

 
西東京市保谷町6丁目で2023.7.3に撮影。

 
西東京市保谷町6丁目で2022.7.3に撮影。

 

 

桔梗紋とは、桔梗の花に由来する家紋。美濃の土岐氏族や明智光秀の家紋として知られています。桔梗という文字が「更に吉」という文字で構成されていることから土岐家以外でも人気のモチーフのようです。