「花子とアン」の「歩文庫」で子供たちが手にしていた『日本児童文庫

【捨てられない本】24日の朝ドラ「花子とアン」の「歩文庫」で子供たちに貸し出しされていた本は、私が大切にしている写真の円本全集『日本児童文庫』だったので、ちょっとうれしかった。当時の挿絵画家たちがたくさん参加しているので、資料として大分お世話になったこの本は、全76巻揃えで持っているので、引っ越しの時に手放すことが出来なかった。
 『日本児童文庫』は、昭和2年5月から昭和5年10月にかけて、アルス社から2冊セットを定価1円で出版されたいわゆる「円本全集」、全76巻の児童向け百科事典的全集で、神話、伝説、歴史、美術、スポーツ、工芸、動植物、数学、地学、地理などあらゆる分野を扱っている。アルス社は、北原白秋実弟鉄雄氏の出版社で、白秋本の装幀を手がけていた版画家・恩地孝四郎が、装幀、挿絵のレイアウト、資料図表、広告パンフレットまで手がけた装丁史・挿絵史に残る本といえる。