添い寝してまで一緒にいたい本『太陽の娘サロメ』

【捨てられない本】として昨日持ち帰ってきたのはデュ厶ド・アポロ原作、帆神煕訳『太陽の娘サロメ』(風俗文献社、昭和27年、限定2000部)。



齋藤博之:画『太陽の娘サロメ』挿絵。


25年ほど前、広告関連の仕事から出版関連の仕事へとシフトしようとしていた頃に、こんな本をつくって見たいと思い購入したものだ。この本の魅力は、表紙の芯紙(ボール紙)の縁が面取されていること。そして継ぎ表紙といって表紙を包む紙と布がつなぎあわせてあり、つなぎ目を金箔押してあること。さらに背には革製の貼り題簽が貼られていることなどだが、いずれも最近の本には見られなくなってしまった製本術といえる。おまけに表紙にはビアズレーの絵が使われている。これ以上の本はもう出来ない、そう思って感激しながら購入した本で、私のランキングでは最高評価の「添い寝本」添い寝してまで一緒にいたい本だ。



最近私が手がけた継ぎ表紙の本『狩久全集』(皆進社、2013年)