実のないはずのヤマブキの実を見つけた

 「七重八重 花は咲けども山吹の 実の(蓑)一つだに無きぞ悲しき」(兼明親王)は、太田道灌が、農家で蓑を借りようとしたが、少女が出てきて、だまって山吹の花を差し出された。が、道灌には意味が分からなかった。後で家臣から有名な昔の歌を引いていることを聞き、理解できなかったことを恥じ、のちに大いに学問に励み文武両道を兼ねた名将になった。


 そんなエピソードで知られる有名な和歌だが、なんと昨日、東大農場で、実がないはずのヤマブキの実を見つけてしまった。そして、ヤマブキには実がなる!ということを初めて知った。これが世の人々を誤解に導いていた災いの種だ。


この句は「七重咲き八重咲き」には実ができないが、一重咲きには実ができる、という種明かしがあるなぞなぞのような句だったのだ。


 一重の場合は5本ほどのめしべと沢山のおしべがあるが、八重咲きの花はおしべが全て花びらに変化してしまい花粉ができず実もできないということらしい。
 ヤマブキの花言葉は、「気品」「金運」。なるほど、時代劇ではたしか小判のことを「ヤマブキ」と言っていた。