これまでずっと、ブログで書き続けた齊藤昌三とゲテ本の話を11項目にまとめて、25日に神奈川県立図書館で講演会をやってきた。一息つく暇もなく、今週28日は東京造形大学での上製本の製本実演があり、今度はその準備に追われている。


表紙に使う布の裏打ち(裏面に和紙を貼る)をやっておき、糊が乾いたものを持っていく用にしようと思って昨晩造っといたが、今朝起きて様子を見たら、糊がやや弱くて、紙と布の端をつまんで引っ張って見たら、パリパリとはがれてきた。慌てて、朝6時から、糊を濃いめにして再度裏打ちをやってきた。乾いた和紙に、図面を薄く描き込むまでやっておくとだいぶ作業がはかどる。

更に、次の工程で象嵌をやろうと思っているので、芯ボールと表装の布が糊付けされ乾いていなければならず、やはり料理番組のように、糊つけした途端に「はい、表紙が乾きました」といって出来上がっているものを見せるために、最初からここまでの工程の完成品をもう一つ造っておかなければならない。表装の布は、実演用にその場でやって見せなければならないのでもう一枚、しめて3枚似た絵柄の布を用意する。準備には時間も手間もかかり過ぎる。



神奈川県立図書館の講演会で配ったレジュメ?


朝から、世界堂に寄って、大型のヤマト糊や2枚合紙した黄ボール紙等を購入。その足で、新宿御苑の近くにある福服という古着屋さんで羽織などを購入した。先月はカッパ橋に行ったときに、鉄で出来た「G」の文字、表紙に象嵌しようと思ってを購入してきた。厚みが10ミリほどあるので、帰宅して5ミリほどの厚みにのこぎりで2分割した。これを何とか表紙に象嵌してやろうと思っている。勝負は今夜と明日の夜の2日間だ。



半分に切り離した「G」の文字。これは「G線上のアリア」などの表紙に象嵌しようと購入したもの。と、水彩画のモチーフ用にと購入してきた朴葉焼用の七輪。朴葉焼きの葉っぱって、どうして燃えないのだろうか? 不思議です。


昨年は、世界に1冊だけしかない本を作るということで、刀の鍔を表紙に象嵌して見せた。
象嵌でも手間がかかるのに、ましてコーネル装(角布)は、さらに時間がかかるので、出来上がった作品を見せただけ。いきなり初心者にはここまでは無理。


刀の鍔を表紙に象嵌。地の紙は、経師屋さんが練習したのか、和本を分解して、襖くらいの大きさに何枚も貼り重ねた紙を1枚200円で購入してきたもの。ちゃんと丁寧に面取もやっています。


1コマ90分の授業で全行程を見せなければならず、今晩は、布の裏打ちの見本を造り置きして、料理の番組のように、「はい、糊が乾きました〜」といって完成品を見せて、次の芯ボールを貼込む工程に入れるようにするための準備をしなければならない。1コマの授業のために10時間くらいの準備が必要だ。