中一弥が作り上げた「秋山小兵衛」はこのようなさっそうとしたイメージの老人として登場した。



中一弥:画、池波正太郎剣客商売 白い猫』



中一弥:画、池波正太郎剣客商売』、なるほどこれが、清貧をよそっていたが大金持ちの吉野さんや三井老人のイメージから生まれた秋山小兵衛像か。若い女性のひざまくら、老後はこうありたいものだ。


かつて、私が剣道を習っていたときに、80歳位だったと思われる範士九段の先生がいた。普段は穏やかな普通のおじいさんなのだが、剣道着を身につけ竹刀を持つとまるで別人のように動きが素早くなり、四段の大学生などがコテンパにやられてしまうのを目の当たりに見た。一弥氏の描いた秋山小兵衛とそのときの先生の姿がまるで同一人物であるかのように重なって見えた。