2009-09-08から1日間の記事一覧

中一弥が作り上げた「秋山小兵衛」はこのようなさっそうとしたイメージの老人として登場した。

中一弥:画、池波正太郎『剣客商売 白い猫』 中一弥:画、池波正太郎『剣客商売』、なるほどこれが、清貧をよそっていたが大金持ちの吉野さんや三井老人のイメージから生まれた秋山小兵衛像か。若い女性のひざまくら、老後はこうありたいものだ。 かつて、私…

小説の挿絵に登場する人物のイメージは、どのように作られていくのであろうかということに興味を持ち、かつて『丹下左膳」のキャラクターについて書いたことがあるが、これは作家によって大部違うものである。今回は、池波正太郎ほか『剣客商売読本』(新潮文庫、平成12年)に、作家の残した「基メモ」と命名された創作ノートにある作家がイメージしたキャラクターを見て見よう。

池波正太郎「基メモ」最初の2ページより、左は前田青邨の写真で、右端には秋山小兵衛とある。右はゲーリー・クーパーとジェームズ・スチュアートで秋山大治郎とある。主人公となる親子の剣士の名前が記されている。 この3枚の写真は、登場人物のイメージを作…