先月末に、横浜・港の見える丘公園の一画にある大佛次郎記念館に行ってきた。憧れの大佛次郎にたっぷり浸ってきました。そこで、漫画版の鞍馬天狗ともいえる大佛次郎・原作/森秀樹『天駆』全4巻(小学館、2001年9月〜2002年10月)があるのを知り、早速購入した。電車通勤中に読んでみたが、満員電車の中で涙がこぼれて困ったお勧め本。


大佛次郎・原作/森秀樹『天駆』全4巻(小学館、2001年9月〜2002年10月)



大佛次郎・原作/森秀樹『天駆』全4巻(小学館、2001年9月〜2002年10月)


「角兵衛獅子」「池田屋事変」「山嶽党」「鬼刃番」は角兵衛獅子の杉作と、天狗こと倉田典善との心の触れ合いを描いたフューマ二ティあふれる名作だが、うまいとこ史実に織り交ぜ、歴史上の人物が登場し、日本という国をどんな国にしたいのかを論じ合うところも読みどころかと思います。命を懸けての信頼が感動です。



大佛次郎・原作/森秀樹『天駆』第4巻(小学館、2001年10月)
尊敬する倉田典善とともに馬に乗り、薩長同盟を結ばせるために、坂本竜馬と一緒に木戸孝允にあいにいく場面。杉作も角兵衛獅子としての身軽さを生かし、「御庭番」に軟禁されている西郷との連絡役という大切な役目を果たす。



これらの本は「少年倶楽部文庫」「小学館文庫」等でも何度か読んだ事があったが、漫画でテンポよく読み進むのも、また一興です。



装画:斎藤五百枝、大佛次郎鞍馬天狗 山嶽党奇談』(講談社、昭和51年)
挿画:伊東彦造、大佛次郎鞍馬天狗 角兵衛獅子』(講談社、昭和50年)



挿画:小田富弥、大佛次郎鞍馬天狗 地獄の門宗十郎頭巾』(小学館文庫 2000年)
挿画:伊東彦造、大佛次郎鞍馬天狗 角兵衛獅子』(小学館文庫 2000年)