戦後の桃太郎本を見ると、読者ターゲットの低年齢化に伴い、前回アップした明治大正期の桃太郎に比べて、かなり幼い感じになっているのが分る。


本来、全国共通の基本形がないはずの民話なのだが、服装や髪形がどれも良く似ているのが気になる。明治〜昭和戦前まで、教科書に掲載されていた頃の官製キャラクターの影響を受けているのだろうか。



文部省編『ヨミカタ』(国民学校)一(東京書籍、昭和16年



黒崎義介・画、浜田広介・文『ももたろう』(『小学館の児童絵本』小学館、昭和30年)
小学校の文化祭を観ているような感じがして、むしろほほ笑ましい。



羽石光志・画『ももたろう』(『小学館の幼年絵本』小学館昭和35年



矢車涼・絵、二反長半・文『桃太郎』(『小学館こども絵本』、小学館昭和35年



風間四郎・絵、岡本良雄・文『ももたろう』(『小学館の幼児絵本』小学館、昭和37年)



赤羽末吉・画、松居直・文『ももたろう(福音館、昭和40年)



絵・宮尾岳、文・柳川茂『ももたろう』(『日本昔ばなしアニメ絵本、平成7年)
平成になると、桃太郎は更に低年齢化して、幼稚園児をターゲットのしているのではないかと思われるほどに可愛らしくなっている。
命をかけての戦に行くなど考えられないキャラクターになっている。。



絵・さいとうまり、構成:La Zoo(学習研究社、平成10年)