「『鬼面の老女』は博文館から出ていた雑誌『ポケット』に読み切りの短編として書いた。私がまげ物の小説を書いたのは、これが二度目で、その前はポオの『ウィリアム・ウィルソン』の翻案だったから、二作目のこの方が処女作と言ってもよい。一度だけでやめ…
「『鞍馬天狗』は関東大震災が原因となって誕生した。つまりそれをきっかけに外務省とも縁を切った大佛次郎が、糧道をつけるためにマゲモノを書いたのが「隼の言辞」、つづいて「鬼面の老女」だったわけだが、鞍馬天狗の名前はもちろん謡曲の『鞍馬天狗』か…
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