こちらは丹下左膳の表紙が気に入って購入してしまった。


装画:加納和典、八剣浩太郎『偽造日本史の正体 歴史考証なるほど読本』(廣済堂文庫、平成4年)
歴史考証の本の表紙に丹下左膳が採用されているのが面白い。時代考証不適格の代表格という事なのだろう。かつて三田村鳶魚が『大衆文芸評判記』で林不忘丹下左膳』をこっぴどくこき下ろしたが、そんな批判は諸ともせず左膳の人気は高まる一方で、100年近く経った今でも一部には高い人気を保っている。架空の剣士の話が、歴史的に正しいかどうかなどを大衆は気にも止めていないようだ。