アール・デコ風あるいは前衛美術風の装丁に見つめられるとつい「♪おじさん私をお家へつれてって〜♪」というメロディが頭の中を駆け巡り、気がつくと購入していることが多い。斎藤薫雄、梯一郎『児童陸上競技の指導と実際』(厚生閣、昭和4年)もそんな風にしてわが家の書棚に並んだ。しかし、問題がある。装丁家名がどこにも記されていないことだ。


タイトルの創作図案文字が何とも言えなくいいですね。ちょうどこの頃に、このタイトルのようなキネマ文字と呼ばれる映画のタイトルが盛んに使われていた。印刷物もキネマに負けじと創作図案文字の題字を作り出していたんですね。というより、創作図案文字の方が古くからあったンだから、見事で当然です。



斎藤薫雄、梯一郎『児童陸上競技の指導と実際』(厚生閣、昭和4年)


背の下の部分に、サインらしきモノを見つけたが、果たして誰のサインなのか、解読できない。




このサインは絵葉書だったか? で見たことがある。いずれ解読できるだろう。