青木茂さん「HK」解りましたよ〜

10月4日に青木茂『書痴、戦時下の美術書を読む』を紹介したときに、宿題となっていた「HK」のサインについて、この連休中にやっと解りました。


オレの出番とばかりに勇んで飛び出したが解読できなかったサインを、
「近代挿絵家のサイン解読第一人者」を自称するものとしてのメンツにかけて
探しまくりました。結果は灯台下暗しで、架蔵書の中から見つける事が出来た。


挿絵家の名前は本間国雄でした。
といっても、「一寸」の同人でこのブログを見ている人はいないだろうな。
インターネットというものを知っているかどうかも不安だ。


本間には『東京の印象 東京スケッチ集』(南北社、大正3年)の著書があり、「文章世界」「ホトトギス」などに挿絵や装画を提供している。

装丁では 水谷竹紫『熱灰』(南北社、大正2年)、
加藤介春『獄中哀歌』(南北社、大正3年
などがあり、装丁家、挿絵家としてかなり活躍していた事がわかる。


また、大正初年のフュウザン会に参加して洋画史にも名をのこしており、東京日日新聞の美術記者でもあった(網淵謙錠『血と血糊のあいだ』所収の「幽霊画家を追跡せよ」に委しい)ようである。


今回掲載した本間の挿絵は「ホトトギス」に掲載された挿絵をまとめた高浜清『沙志絵』(光華堂、明治44年7月三版)から転載したもの。