伊達得夫装丁「葡萄53」の献本を受けた

shinju-oonuki2006-07-25

 「葡萄」53号が送られてきた。5人の詩人がそれぞれ一篇を選び「自注」を付けた「若き日の詩集」という特集を組んでいる。この詩誌は1954年に創刊され、毎年1回脈々と発行し続けられてきたことになる。

装丁は、伊達得夫(だて・とくお, 1920-1961)。第二次大戦後の日本で、詩の雑誌あるいは詩の本というものが作られ始めたころの、もっとも代表的な人物。伊達が亡くなったのは、1961年だから、「葡萄」創刊号から伊達が装丁していたとしたら、8号が発行される頃まで装丁をしていたことになる。こうなるとまだ見たことのない古い本の装丁も見て見たくなる。

この本の送り主は、発行人の堀内幸枝さんだ。堀内さんのことは『紫の時間』 (書肆ユリイカ、昭29年)や『詩集 不思議な時計』 (書肆ユリイカ、昭和31年)の著者であることなどは全く知らず、女房や子どもが「千葉のおばあさん」と呼んでご近所つきあいをしていた。子どもが葡萄をもらってきたこともあった。

家族の会話の中で「千葉のおばあちゃん」から「詩人・堀内幸枝さん」に代わってきたのは、女房が田中栞書肆ユリイカの本』(紅梅堂)を読んでからだ。

拙書『装丁探索』を贈呈してからは、私も井戸端会議の輪に入ることもしばしば。『装丁探索』に登場する人物の多くを知っているというので、私のほうが話に引き込まれてしまうことも。

今回は「葡萄53」のお礼として、拙書『製本探索』を贈らせていただいた。