豪華本は長谷川巳之吉の造語

 
第一書房は、限定本書肆として知られており、「豪華本」ということばは社長・長谷川巳之吉の造語である。ゲテ本と豪華本と限定本は、明らかに違うものを意味しているように思われているが、実はかなり近い存在で、お互い境界線は曖昧かつ重なっているのではないかとも思われる。
 
たとえば金箔押しというのは、豪華本の見本のようなものであるが、表紙全面に唐草模様を箔押ししたら、これは、ゲテ本としか言い様がない。私もかつて、20部だけの子牛革の豪華本を作ったことがある。まさに全面金ぴかの唐草模様をあしらった典型的な金ぴか本である。