背革は強くない

shinju-oonuki2005-08-30


神保町をぶらぶらしていたら、普段立ち寄ることのない古書店の店頭にある均一台に、上田敏上田敏詩集』改訂増補版(第一書房大正14年)をみつけ、格安で購入してきた。この本は、すでに所有しているが、革が破損して、金箔押しの文字も剥がれ始めていたので、買い替えるるつもりで購入した。『月下の一群』も同様であるが、この頃の背革は、茶色の粉が出てきて、壊れやすい。
 
こんな時、私は鞄などにつけるオイルを塗ってしまう。これがいい方法かどうかはわからないが、乾いた茶色から、チョコレートのような焦げ茶色に変り、革はしっとりして、金箔の文字は、しっかり浮き上がってきて生き生きして見える。
 
日本の風土に革は合わないのではないかと言われているが、第一書房の本は、その証拠であるような本が多い。そんな中、今回手に入れた『上田敏詩集』は、きわめ保存状態がいい。