売れなくとも長生き

 
例によって齋藤昌三の「跋」が巻末に掲載されているので覗いてみよう。「一般の出版物には大抵生命が限られてゐるが、随筆には無限の生命がある。只前者には流行り廃りがあるが、後者にはその心配がない代り、讀者はほんの一部に限られてゐる。」という書き出しだが、さすがによく解っている。だから随筆には、凝った装丁をしているのか。