【春を待たずに芳香を放つ蝋梅の花!】…市内の植物探索(17)

【春を待たず芳香を放つ蝋梅の花!】…市内の植物探索(17)
  もうそろそろ咲いているかなと思い、ロウバイ(蝋梅)を探しの散歩をしてきました。毎年立派な花を咲かせてくれる保谷町5丁目では、まだ蕾も膨らんでいませんでした。次は3〜4mの比較的大きな木が5〜6本植えてある如意輪寺に行ってみました。ここでは指折り数える程度のほんの数輪だけ咲いていました。もう一箇所とっておきの中町5丁目へ行くと、やっと満開の蝋梅が迎えてくれました。花を見たさに万歩計は8,300歩と思いの外たくさん歩きました。
 ロウバイはまるでロウ細工のような黄色い花を葉が落ちる前に咲かせる、中国原産の落葉低木です。開花期以外はあまり目立ちませんが、早生種では12月頃に、晩生種でも2月にかけて半透明でにぶいツヤのある黄色く香り高い花がやや下を向いて香り高い花を咲かせる貴重な存在です。中国では、ウメ、スイセン、ツバキとともに、「雪中の四花」として尊ばれています。江戸時代初期、後水尾天皇(1611~1629年)の時に朝鮮半島から日本へ渡来し、ほかの花木に先駆けて咲く香りのよい花が愛され、生け花や茶花、庭木として利用されてきました。
 ロウバイの花は内側の花弁が茶褐色ですが、一般に出回っているのは、すべての花弁が黄色の、ソシンロウバイやその園芸品種です。
 漢字で書くと「蝋梅・臘梅」。でも、梅の仲間ではありません。梅の仲間なら花びら(花弁)が5枚。ところが、ロウバイの花はどれが花弁でどれが萼(がく)かわかりません。このように花弁と萼片の区別がつかない場合、両方をまとめて花被片と呼んでいます。
 和名の「ロウバイ」の語源は、漢名の「蝋梅」の音読みとされ、由来について一説には、陰暦の12月にあたる朧月(ろうげつ)にウメの香りの花を咲かせるためだと言われています。また、『本草綱目』によれば、半透明でにぶいツヤのある花びらがまるで蝋細工のようであり、かつ臘月に咲くことにちなむとあります。
 花がうつむき加減に咲くことからつけられた花言葉が、「奥ゆかしさ」「慈しみ」「慈愛」。慎ましやかな日本人を表すような花言葉ですよね。
 
 
西東京市中町5丁目で2023.12.24に撮影した蝋梅の花

 
 
西東京市泉町2丁目で2023.12.24に撮影

 
 
西東京市泉町で2023.1.11に撮影

 

 

西東京市富士町2丁目でもロウバイが満開でした。2024.1.4撮影

 

 

ロウバイの基本種は、写真のように、花の中心部は暗紫色でその周囲が黄色です。街中で見掛けるロウバイの多くは、すべての花弁が黄色のソシンロウバイやその園芸品種であることが多く、ロウバイは少ないです。今日、柳沢3丁目で、初めてロウバイの基本種に出会いました。