九州、四国および周辺の島々から琉球列島に生育しているほか、観賞用に庭や公園に植えられているツバキ科の常緑の小高木です。高さが10mほどになることもあり、よく分枝し、葉を多くつけます。野性のサザンカの花は純白ですが、観賞用の園芸種にはツバキと交雑したものも多く見られ、さまざまな品種があります。花の色は、紅、淡紅、紅白、桃、ぼかし、斑入り、覆輪など華やかで、花の形も、大輪、広弁、一重、八重など多様です。
花期は10~12月で、枝先に花径5~8 cmの大きな5弁花をつけます。同じ科のツバキ(椿)によく似ていますが、ツバキの花は花全体が落下するのに対し、サザンカは花びらが一枚一枚散って行きます。
サザンカといえば、巽聖歌作詞の童謡「たきび」の二番の歌詞に登場することでもよく知られています。懐かしい地方の冬の情景の歌のようですが、実は東京都中野区上高田の農家が発祥の地だそうです。第二次世界大戦中、「たきびは敵機の攻撃目標になる」として、この童謡を歌うことが禁じられた悲しい歴史もあります。
西東京市北原町2丁目で2023.12,13に撮影
西東京市北原町1丁目で2023.12.12に撮影
西東京市北原町1丁目で2023.12.13に撮影
西東京市北原町1丁目で2023.12.13に撮影