【濃い緑の葉と黄色の花のコントラストが美しい石蕗(つわぶき)!】…市内の植物探索(14)

【濃い緑の葉と黄色の花のコントラストが美しい石蕗(つわぶき)!】…市内の植物探索(14)
 ツワブキは日本や中国が原産のキク科の常緑多年草で、フキに似た常緑の葉が美しく、花が少ない時季に菊に似た黄色い花を咲かせのが特徴です。フキと似ていますが全く別種の植物です。ツワブキは、寒くなってくると黄色の花を咲かせますが、フキは冬になると地上部分がなくなってしまいます。葉はフキに比べて厚みがあり、表面には光沢があります。
 光沢のある濃い緑色の葉と花のコントラストが明瞭で、かつては晩秋のモチーフとして、よく絵画や装丁、漆器類にデザインされました。
 鑑賞用の植物として人気のある植物ですが、食用にすることもできる山菜の一つです。キンピラ、和え物、梅酢漬けなどにして食用にします。醤油で葉っぱを煮詰めた九州名産の「伽羅蕗きゃらぶき)」は特に有名です。
 和名ツワブキの由来は、艶葉蕗(つやはぶき)「艶のある葉を持ったフキ」から転じたとする説のほか、厚葉蕗(あつはぶき)「厚い葉を持ったフキ」から転じたとする説があります。
  ツワブキは漢字で石蕗と書きます。草姿がフキに似ていて、海岸の岩場などに自生していることが由来だと言われいます。
 花言葉は「 謙遜、困難に負けない」です。秋から冬にかけて明るい黄色の花を咲かせ、寒い冬でも常緑の葉を絶やさない、ツワブキらしい花言葉です。
 
西東京市谷戸町3丁目で2023.11.14に撮影した石蕗(つわぶき)の花

 
 
西東京市泉町3丁目で2023.11.14に撮影

 
 
西東京市保谷町6丁目で2023.11.20に撮影

 
 
西東京市谷戸町3丁目で2023.12.6に撮影

 

 

橋口五葉:装丁、夏目漱石『草合』(春陽堂明治41年9月15日)。黒い部分はツワブキの葉をデザインしたもので、漆を使っているので、まるで本物のように黒光りしている。1冊だけ作る工芸品なら製作可能だが、量販本でこのような部分的に漆を施すようなデザインは、今ではほぼ製作不可能と思われる。さすが漱石本と言わざるを得ない、究極の装丁が明治時代に行われていたのが驚きでもある。